分析手帖 第一巻 概念と形式

ピーター・ホルワード、ニックス・ピーデン編

佐藤嘉幸、坂本尚志 監訳

装幀:近藤みどり
2026年3月25日発売
A5判 並製カバー装 512頁
定価:本体5,000円+税
ISBN 978-4-7531-0400-0 

 1966年~69年にかけて、アルチュセールの弟子であった高等師範学校生が組織したエピステモロジー・サークルにより、10号にわたって刊行された『分析手帖』。
 構造主義、精神分析、マルクス主義、そしてエピステモロジーの強い影響の下、「言説の理論」の構築を目指した本書は、フランス現代思想の底流において、決定的な影響をもたらした。
 アルチュセールやラカン、カンギレム、フーコー、デリダ、バディウ、ミレールら錚々たる執筆陣の論考が掲載された本誌は、フランスの知的伝統を継承するとともに、新たな知を生み出すプラットフォームともなったのである。
 この『分析手帖』の全貌を明らかにしつつ、その思想的・歴史的な位置づけと現代的射程を再検討する全2巻の論集。

 第1巻は刊行された『分析手帖』全10号のなかで、最も重要とみなされるテクスト群を再録、編者であるピーター・ホルワードによる『分析手帖』全体の歴史的・思想的・政治的文脈を論じた詳細な序論を付す。
 第2巻は、『分析手帖』について新たに寄せられた論文、当時の編集委員会のメンバーや参加した人々(アルチュセール派など)へのインタビューからなる。


目次

まえがき  ピーター・ホルワード、ノックス・ピーデン(坂本尚志訳)

序 論 理論的訓練  ピーター・ホルワード(坂本尚志訳)

第一章 『分析手帖』第一号 ―第九号  緒 言(坂本尚志訳)

第二章 構造の作用  ジャック=アラン・ミレール(上尾真道訳)

第三章 心理学と論理学  イヴ・デュルー(佐藤嘉幸訳)

第四章 縫 合(シニフィアンの論理の諸要素)  ジャック=アラン・ミレール(上尾真道訳)

第五章 分析家はその場所に?  セルジュ・ルクレール(信友建志訳)

第六章 シニフィアンのポイント  ジャン=クロード・ミルネール(信友建志訳)

第七章 複数のエピステモロジーの弁証法  フランソワ・ルニョー(中村大介訳)

第八章 諸科学の考古学について ──ミシェル・フーコーへの質問  エピステモロジー・サークル(佐藤嘉幸訳)

第九章 記号と欠如──ゼロについて  アラン・バディウ(近藤和敬訳)

第一〇章 無限小の転覆  アラン・バディウ(近藤和敬訳)

第一一章 一八世紀におけるある心理学的実験  アラン・グロリシャール(田中祐理子訳)
  補遺 「モリヌークス問題」の歴史(第八講) 
                  シュヴァリエ・ド・メリアン(田中祐理子訳)

第一二章 君主の思考  フランソワ・ルニョー(伊藤連訳)

補 遺 『分析手帖』全号目次 (坂本尚志訳)

第一巻解説  坂本尚志


著者紹介

ピーター・ホルワード  (Peter Hallward)

キングストン大学教授。著書に『ドゥルーズと創造の哲学』(松本潤一郎訳、青土社、2010年)、『バディウ──真理への主体』(未訳)などがある。

ノックス・ピーデン (Knox Peden)  

クイーンズランド大学講師。著書に『スピノザ対現象学──カヴァイエスからドゥルーズまでのフランス合理主義』(未訳)などがある。