ルネサンスの工学者たち

装幀:難波園子
2005年6月30日発売
四六判 上製カバー装 424頁
定価:本体4,700円+税
ISBN 978-4-7531-0241-6​

ルネサンスの工学者たち レオナルド・ダ・ヴィンチの方法試論

ベルトラン・ジル(山田慶兒 訳)

ギリシア・ビザンツ・ローマ・アラブを経てイタリア・ルネサンスに至る技術の壮大な歴史を、写本と残されたデッサンから克明に跡付けた貴重な研究。〈世界は機械化できる〉という強い信念による新しい技術精神の誕生。鳥の飛翔と人間の労力と動力の機械化に挑戦するレオナルド・ダ・ヴィンチは、その精神の象徴であり、伝説に覆われたレオナルド・ダ・ヴィンチの実像に迫る。


目次

まえがき
 凡例
 技術用語の翻訳について

1.伝統の重み
 ギリシアにおける起源
 ビサンツの原典
 ローマの原典
 中世の編纂書
 アラブの道
 中世の工学者――ヴィラール・ド・オヌクール
 グイド・ダ・ヴィジェヴァーノの軍事概論
2.文明の重み
3.ドイツ学派
 最初期の著作家たち
 コンラド・キーザー
 フス戦争の写本
 晩期の著作
4.イタリア人の最初の世代
5.フランチェスコ・ディ・ジョルジョ・マルティーニ
6.ある工学者の生涯――レオナルド・ダ・ヴィンチ
7.技術者レオナルド・ダ・ヴィンチ
8.レオナルド・ダ・ヴィンチの方法試論
9.研究と現実
10.新しい科学

むすび
解説 ベルトラン・ジルの技術史研究
訳者あとがき
一般的な参考文献


著者

ベルトラン・ジル(Bertrand Gille)
1920年パリ生まれ。1943年、古文書学校卒業後、国立古文書館を経て、1958年、クレルモン−フェラン大学文学部教授。経済史を担当。1972年、国立高等研究院第四部門部長となり、パリ第一大学で哲学を講義、1980年に逝去。
著書:『資本主義大企業の形成(1815-1848)にかんする研究』(1959)、『ロスチャイルド家の歴史』(1965,1967)、『19世紀のフランスの製鉄業』(1968)、『技術史』(1978)など多数。

訳者

山田 慶兒(やまだ けいじ)
1932年福岡県生まれ。京都大学理学部卒、同大学院文学研究科修士課程修了。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専攻、科学史。
著書:『朱子の自然学』(岩波書店、1978)、『授時歴の道』(みすず書房、1980)、『科学と技術の近代』(朝日選書、1982)、『黒い言葉の空間』(中央公論社、1988、大佛賞受賞)、『製作する行為としての技術』(朝日新聞社、1991)、『復元 水運儀象台』(新曜社、1997)、『中国医学はいかにつくられたか』(岩波新書、1999)など。
訳書:ニーダム『東と西の学者と工匠』上・下(河出書房新社、1974-77)、ガリレイ『星界の報告』(岩波文庫、1976)ほか。