西洋をエンジン・テストする

装幀:難波園子
装画:宇佐美圭司《大洪水へ》2010
2012年3月8日発売
四六判 上製カバー装 208頁
定価:本体2,500円+税
ISBN 978-4-7531-0299-0​

西洋をエンジン・テストする──キリスト教的制度空間とその分裂

西洋社会を対象に「ドグマ人類学」を創設した著者が全成果を三つの講演に凝縮。「話す動物」としての人類の組織化原理を抽出し、キリスト教の抱えた「分裂」が、効率性によるグローバル支配の淵源にあることを明快に論証する。


目次

序 ドグマ学という領野の統一性
 A エンジン・テスト
 B 新たなオルガノンを求めて 人類学的な問いかけの進展と西洋
 C メランコリックな時間の物語
 D 要塞的精神 文明の構成要素としての攻撃性

講演テクスト
 第一講演 法律家よ、おまえは誰なのか 法の系譜についてのインフォーマル・トーク
 第二講演 解釈という命法
 第三講演 「世界の総体を鋳直す」 西方キリスト教の普遍主義についての考察──メランコリックな時間の物語


著者

ピエール・ルジャンドル(Pierre Legendre)
1930年、ノルマンディー生まれ。法制史家・精神分析家。1957年パリ大学法学部で博士号を取得。民間企業、ついで国連の派遣職員としてアフリカ諸国で活動したのち、リール大学、パリ第10大学を経て、パリ第一大学教授と高等研究実習院研究主任を96年まで兼任。分析家としてはラカン派に属し、同派の解散以降はフリーランスとなる。中世法ならびにフランス近代行政史についての多数の研究を発表したのち、とくに70年代以降、主体形成と規範性の関係を問いながら、西洋的制度世界の特異性と産業社会におけるその帰結を考察する作業をつづけている。
既訳書に『ロルティ伍長の犯罪』(西谷修訳、人文書院、1998年)、『ドグマ人類学総説』(西谷修監訳、平凡社、2003年)、『西洋が西洋について見ないでいること』(森元庸介訳、以文社、2000年)、『真理の帝国』(西谷修・橋本一径訳、人文書院、2006年)、『ルジャンドルとの対話』(森元庸介訳、2010年)。

訳者

森元 庸介(もりもと ようすけ)
1976年、大阪府生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。パリ西大学博士(人文学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。
著書に La Légalité de l’art. La question du théâtre au miroir de la casuistique (Fayard, à paraître)。
訳書にジョルジュ・ディディ=ユベルマン『ヴィーナスを開く』(宮下志朗と共訳、白水社、2002年)、『ニンファ・モデルナ』(平凡社、近刊)、ジャン=クロード・レーベンシュテイン『猫の音楽』(勁草書房、2014年)。