わが心のチェーホフ

佐藤清郎

装幀:高麗隆彦
2014年12月17日発売
四六判 上製カバー装 224頁
定価:本体2,400円+税
ISBN 978-4-7531-0322-5

農奴の孫、医師・作家のチェーホフは、すべてを離れて見る目を持っていた。そこから笑いと哀れみ、優しさと厳しさが生まれる。名著『チェーホフの生涯』から半世紀、94歳の著者が書き溜めたエッセ風チェーホフ論。

「チェーホフは、「最も平凡な日常生活」を描いて、人間の、この世の真実に迫った作家です。彼が求めた公正、真実、自由、美(清さと言うべきか)は、時代がどう変わっても、人間が人間らしくありつづけるかぎり、人間の目標たるを失わないはずです。チェーホフは、私にとって、そういう作家でありつづけました。(「あとがき」より)


目次

チェーホフの孤独
チェホンテからチェーホフへ
チェーホフの醒めた眼
「退屈な話」という題名訳
『賭け』の広がり――生き方の選択
チェーホフとストア哲学――『六号室』の世界
「幸福なんてない」(『手帖』)
『黒衣の僧』――チェーホフとドストエフスキー
チェーホフと『伝道の書』
『三人姉妹』のテーマ――チェーホフの本音
「どっちだって同じさ」――加藤周一の観劇評
『桜の園』の時代性と永遠性
再び『桜の園』について――カターエフ説再考
「自然法爾」(親鸞)と「自然法則」(チェーホフ)
横顔のチェーホフ
チェーホフ・その死


チェーホフ小伝――生涯とその時代
チェーホフと神西清

あとがき


著者

佐藤 清郎(さとう せいろう)
1920年生まれ。哈爾(ハルビン)学院、大同学院卒。大阪大学教授、早稲田大学客員教授などを歴任。
主著
『チェーホフの生涯』(筑摩書房、1966年)
『若きゴーリキー』(筑摩書房、1968年)
『チェーホフの文学』(筑摩書房、1972年)
『ゴーリキーの生涯』(筑摩書房、1973年)
『ツルゲーネフの生涯』(筑摩書房、1977年)
『チェーホフ芸術の世界』(筑摩書房、1980年)
『チェーホフ劇の世界』(筑摩書房、1980年)
『チェーホフへの旅』(筑摩書房、1987年)
『孤愁の文人』(ブーニン)(岩波ブックセンター、1990年)
『観る者と求める者』(武蔵野書房、1993年)
『二葉亭四迷研究』(有精堂、1994年)
『トルストイ 心の旅路』(春秋社、2001年)