ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る/賈樟柯【品切】

ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る

装幀:高麗隆彦
2009年12月11日発売
A5判 上製カバー装 288頁
定価:本体3,200円+税
ISBN 978-4-7531-0274-7​

ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る

賈樟柯[ジャ・ジャンクー](丸川哲史、佐藤賢 訳)

ジャ・ジャンクーの全活動の集大成(1996-2008

 三峡ダム建設で水没する町を描いてヒットした『長江哀歌』の記憶も新しい中国の映画監督ジャ・ジャンクーはカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの三大映画祭を制覇し、30代にして世界映画の未来をになう巨匠として注目されてる。そのジャ・ジャンクーがデビュー以来、自作や映画全般、中国文化や時代について語り・書き・対話した十年余にわたる全活動の集大成。
 自らの全長編作品の背景や演出意図、制作過程、反響までを語りながら、「改革解放」「天安門事件」以後、国家指導のもとで急激な資本主義化とグローバリゼーションの波に呑み込まれた中国の庶民たちがどのように生きてきたか、またこれから生きていくべきかを真摯に問いかける。
 世界の巨匠ホウ・シャオシェン、新世代の旗手ツァイ・ミンリャンといった台湾の映画監督との対話のほか、ハリウッドの巨匠マーティン・スコセッシとの交流や、小津安二郎をはじめとする日本映画論なども収録。


目次

日本語版への序文――あなたに伝えたい、私の日ごと夜ごと

■『小山の帰郷』《小山回家》1996
わたしの焦点

■『一瞬の夢』《小武》1998
『一瞬の夢』演出ノート
シーンの決定――『一瞬の夢』
わたしは自分の経験を詩化しない
アマチュア映画時代が再びやって来る
VCDとデジタルカメラが現れて以後
東京の夏
中国の基層から来た民間監督(対談) 林旭東(リンシュードン)/賈樟柯(ジャジャンクー)

■『プラットホーム』《站台》2000
『プラットホーム』演出ノート
シーンの決定――『プラットホーム』
中国語圏映画の新世紀を拓くのは誰か
ジャ・クージャン(仮科長)の『プラットホーム』は買ったかい?
経験世界における映像の選択(書面対談) 孫健敏(スンジェンビン)/賈樟柯(ジャジャンクー)

■『イン・パブリック』《公共場所》2001
『イン・パブリック』演出ノート
『イン・パブリック』について

■『青の稲妻』《任逍遥》2002
『青の稲妻(任逍遥)』演出ノート
孫悟空より頭が痛い
酒あらばまさによく意識流れ 一九九五年からの中国ニューシネマ
禁止できない映像
世界は畳のうえに
映画の春が来るそうだ

■『世界』《世界》2004
『世界』演出ノート
ウランバートルの夜(『世界』挿入曲) 賈樟柯(ジャジャンクー)/左小祖咒(ズオシャオズージョウ)作詞
山形映画祭の皆さまへ
我々は我々の遺伝子の欠陥を見るべきだ(講演)
わたしの映画遺伝子
花火は上がっても、ビデオは回らず
この一年も、まあ何とか過ぎてくれた

■『長江哀歌(エレジー)』《三峡好人》2006
『長江哀歌(エレジー)』演出ノート
2006年の光と影
困惑の記
信じている通りに撮る(対談) 侯孝賢(ホウシャオシェン)/賈樟柯(ジャジャンクー)
これが我々の世代の弱さなのです(講演)
「大作」の中に瀰漫する細菌が社会的価値を破壊する(対談)大 徐百柯(シューバイコー)/賈樟柯(ジャジャンクー)

■『東』《東》2006
『東』演出ノート
マーティン・スコセッシ――わたしの「先輩」
誰もが自分の肌にあった芸術を持っている(対談)  劉小東(リュウシャオドン)/賈樟柯(ジャジャンクー)
人そのものの美しさを探し出す(対談)  トニー・レインズ/賈樟柯(ジャジャンクー)

■『無用』《無用》2007
『無用』演出ノート
我々が裸になった時、階級の区別などない(対談) トニー・レインズ/賈樟柯(ジャジャンクー)
劇映画でもあり、ドキュメンタリーでもある(対談)  蔡明亮(ツァイミンリャン)/賈樟柯(ジャジャンクー)

■『四川のうた』《二十四城記》2008
『四川のうた』演出ノート
中国の映画詩人を詳説する D・アンドルー/欧陽(オウヤン)江(ジャン)河(ハー)/賈樟柯(ジャジャンクー)ほか

付記 賈樟柯、このかれらと異なる動物よ 陳丹青(チェンダンチン)
訳者解説1 ポスト「改革開放」時代の表現者 丸川哲史
訳者解説2 見ることの憤怒 佐藤賢
賈樟柯(ジャジャンクー)作品・受賞歴
映画題名索引


著者

ジャ・ジャンクー(賈樟柯)
1970年生まれ。中国山西省汾陽出身。1993年北京電影学院文学系入学、1995年から映画監督の仕事を始める。北京在住。
監督作品に『一瞬の夢』『プラットホーム』『青の稲妻』『世界』『長江哀歌』『四川のうた』など。

訳者

丸川 哲史(まるかわ てつし)
1963年生まれ。一橋大学言語社会研究科博士後期課程単位取得退学(学術博士)。明治大学政治経済学部教授。専攻は東アジア文化論。著書に『台湾、ポストコロニアルの身体』『帝国の亡霊』(以上、青土社)、『リージョナリズム』(岩波書店)、『日中100年史』(光文社新書)など。

佐藤 賢(さとう けん)
1975年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程単位取得後退学。現在、明海大学外国語学部講師。専攻は中国文学。

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