魯迅と毛沢東/丸川哲史

露人と毛沢東

装幀:高麗隆彦
2010年5月31日発売
四六判 上製カバー装 320頁
定価:本体2,800円+税
ISBN 978-4-7531-0278-5​

魯迅と毛沢東──中国革命とモダニティ

丸川哲史

2人の思想をめぐる知と闘争の歴史

いま中国で、批判的知識人たちが熱烈に魯迅と毛沢東を読み返している。2人の対照的〈思想家〉の実践を軸に、内戦、抗日、建国、文革、改革開放へといたる全革命史を、中国特有の近代化への試行錯誤として捉え直し、いま思想と政治経済社会との関係を問う。著者渾身の書き下ろし!


目次

序章
なぜ今、魯迅そして毛沢東なのか?/二人を同時に扱うこと
戦後日本の受容、及び「改革開放」以降/中国モダニティの要素とその導き手/知識人問題としての現代中国

1 中国モダニティの基点――1919年「5・4運動」を中心に
迷走する中国/5・4運動という出来事/5・4運動と中国モダニティ/もう一つの「5・4」、中国を発見すること/『吶喊』の処刑イメージ――5・4運動の陰画/毛沢東による「民衆の大連合」/1919年からの中国、日本、そして魯迅

2 モダニティの分裂、クニの分裂――1927年「反共クーデタ」を中心に
ポスト「5・4」の時空──「国民革命」/党と軍の時代/階級を発見する毛沢東/「虐殺」の時代/分裂する言葉/裂するクニ/分裂するモダニティ/中国の闇、世界の闇

3 反転する闇――1936年「長征」終了と魯迅の死
魯迅の死/抗日民族統一戦線への流れ/上海の30年代/魯迅の行動哲学/「土地革命戦争」の総括/西安事件から『実践論』『矛盾論』へ

4 思想「改造」という踏み台――1942年「文芸講話」を中心に
毛沢東と共産党の歴史スパン/知識人の参加に向けて/「新民主主義論」と知識人/「文芸講話」と知識人/新中国成立からの「整風」/50年代新中国における知識人の運命

5 中国プロレタリア文化大革命を再考する――1968年、1971年を中心に
「文革」への流れ/「文革」の始動/1968年夏の意味/知識人・大衆・毛沢東/文芸(文学)、あるいは魯迅/1971年「林彪事件」の意味/近代国家建設と「文革」/「文革」の終わり方と「改革開放」

6 地獄を思い出すこと――中国における魯迅、毛沢東読解
中国の80年代~90年代/魯迅読解の変遷――汪暉を中心として/90年代以降の魯迅、毛沢東の扱い――汪暉の「民族形式」論争論を中心に

7 自分の肉を煮るために――日本における魯迅読解
竹内好『魯迅』からの出発/竹内『魯迅』の乗り越え/『魯迅』読解の多様化/魯迅受容という関門

終章
魯迅のプロレタリア像――「破悪声論」から「首つり女」/竹内好の毛沢東像の検討/(中国的)後発近代――思想「改造」と知識人の「負い目」

注 
あとがき
魯迅・毛沢東関連年表 
索引


著者

丸川 哲史(まるかわ てつし)
1963年和歌山県生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授(東アジア文化論・台湾文学)。
著書に『台湾、ポストコロニアルの身体』『帝国の亡霊』(以上、青土社)、『リージョナリズム』(岩波書店)、『台湾ナショナリズム』(講談社)、共訳書に『ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る』(以文社)など。

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