Contentsを更新しました。今回はデヴィッド・グレーバーの『民主主義の非西洋起源について』の刊行を記念して、2018年の年末に『ル・モンド』に発表された、グレーバーによる「〈黄色いベスト〉運動」についての考察の再掲となります(日本語の初出は岩波書店『世界』の2019年2月号)。
 〈黄色いベスト〉運動は、まさに「西洋起源」とされる「民主主義」への大きな揺さぶりであったという点で、弊社刊の新刊と通底する問題であったのと同時に、あらためてこの考察を読み返してみると、グレーバーの一貫性、つまりコロナショック後の世界で再注目(最注目)されている「ケア階級(ケアリングクラス)」への眼差しなど、〈黄色いベスト〉運動の中からも、すでに(コロナショックでより顕在化した)新しい世界の萌芽を正確に掴んでいた、ということを窺い知ることができるかと思います。「ケア階級(ケアリングクラス)」に対置されるのは「テクノクラート・マネジメント階級」、要するに「ブルシット・ジョブ」の主な担い手たち、というわけです。
 そのグレーバーのコロナ禍への言及をまとめた文章(片岡大右氏による)も近日アップします。こちらもどうぞお楽しみに。
 最後に、転載を快くお許しくださった岩波書店『世界』編集部さま、そして『民主主義の非西洋起源…』刊行後も本書の問題系について(今回のウェブ企画も含め)丁寧なフォローを継続して行ってくださっている片岡大右氏に厚く御礼申し上げます。